海外のVPSやクラウドを使う際はリージョンはどうするべき?
VPSやクラウドを使うと出てくるのが「リージョン」。リージョンとは何か、リージョンを選ぶ際はどのように考えて選ぶべきかをまとめました。
インスタンスの「リージョン」とは?
VPSなどの仮想サーバーは、物理サーバーを意識せずに利用ができますが、サービス側では物理サーバーが動作しています。物理サーバーがあるということは、サーバーを設置する場所があるということです。
インスタンスにおけるリージョンとは、この「データセンターがある場所」を指します。
リージョンが異なると何が変わる?
では、インスタンスを収容するデータセンターのリージョンが変わると何が変わるのでしょうか?大きく分けて二つあります。
- 物理距離による通信速度
- インスタンスのプランや料金
まず考慮すべきは(1)の通信速度です。
インターネットを通じてデータの送受信を行う場合、簡単に言うと、
- リクエスト
- データ処理
- レスポンス
- データ受信
と言う4つの段階があります。このうち、物理距離による通信速度が影響するのがリクエストとデータ受信です。ここの速度は受け手側の体感速度にも大きく影響します。
日本のサービスであれば、ホストもリクエスト元も日本であることが通常で、サーバーとリクエスト元の距離が近いため、ここの速度はほとんど無視して良いほどです。むしろ、データ処理をしてレスポンスを返すまでの時間を重視して速度改善を行うことがほとんどではないでしょうか。
一方で、距離が遠い通信になるといかにレスポンスを高速化したとしてもリージョン次第で受け手が「遅い」と感じるようになってしまいます。
そのため、大手サービスのサーバーは、ユーザー地域ごとにデータセンターを設置して、一番近いサーバーとアクセスするように設計しています。
リージョンはどこを選べば良い?
「メインユーザーの居住地で決める」のがベスト
日本でWebサイトやサービスを展開していている場合は日本のリージョンを使うことがほとんどですが、リージョンの選び方としては「メインユーザーの居住地で決める」と覚えておくと良いでしょう。
例えば、日本でサービスを展開していてユーザーのほとんどが日本人であれば、日本リージョン(Tokyo、Osakaなど)を選べば良いですが、メインユーザーがアメリカに住んでいるサービスであれば、日本企業のサービスであってもアメリカリージョンのサーバーを借りるべきです。
また、海外のVPSやサーバーレスサービスを使っているとよくあるのが「日本リージョンがない」と言うケース。この場合は、アジア圏にリージョンが用意されていることがあるのでそちらを使いましょう。よくあるのがシンガポール・リージョンです。
複数サーバーを組み合わせている場合は注意が必要
もし、複数のVPSを組み合わせている場合は「データセンター間+ユーザーまでの距離」についても考慮する必要があります。
例えば、何かの理由でDBサーバー、アプリサーバーが別々のデータセンターにあるとして、それぞれのリージョンが違うとすると、
- リクエスト(日本)–> アプリサーバー(アメリカ)
- アプリサーバー(アメリカ) –> DBサーバー(ヨーロッパ)
- DBサーバー(ヨーロッパ) –> アプリサーバー(アメリカ)
- アプリサーバー(アメリカ)–> レスポンス(日本)
と言う形が有り得ます。
一回のリクエストを処理するために、「日本 –> アメリカ –> ヨーロッパ –> アメリカ –> 日本」と世界中を通信してしまうため、非常に遅くなります。
上記の例は極端なケースですが、クラウドサーバーで複数インスタンスを起動する際に、よく考えずアメリカの西海岸と東海岸のサーバーをそれぞれ借りてしまって「どう改善しても高速化出来ない」なんてケースはよくあります。
リージョン選び一つでも、サイトやサービスが遅くなるボトルネックを常に抱えてしまうことになると言うのは覚えておくと良いでしょう。
価格は記載がある場合を除き、すべて税込みです。
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