VPSの選び方ガイド

個人用途から企業の業務用まで、幅広い使い方ができることで人気のVPS(仮想専用サーバー)。使い方や規模などによって選び方は様々ですが、しっかり選ぶことで低コストで高速なサーバーを使うことができます。

VPSサービスの特徴を知ろう

VPSサービスを選ぶ前に、まず最初に主なVPSサービスの特徴を掴んでおきましょう。

VPSを選ぶ際に知っておきたいのは、

  1. 料金
  2. 機能/使いやすさ
  3. 特徴

の3点です。

VPSサービス料金機能/使いやすさ特徴
ConoHa VPS安いわかりやすく、多機能長期利用割引で業界最安値になる
DigitalOcean VPS円安化では高い機能は十分、サーバーレスも統合されている英語のハードルがある
GMOクラウド VPSやや高い業務用に最適な機能が揃っているサーバー管理ツール「Plesk」が使える
KAGOYAクラウド VPS安いクラウドに近い機能機能と価格のバランスが良い
お名前.com VPSやや高い標準的やや業務用向けな内容
さくらのVPSやや安いわかりやすく、多機能VPSの老舗で安心感がある
シンVPSやや高い標準的収容サーバーが競合より性能が高い
Vultr VPS円安化では高い機能は十分、サーバーレスも統合されている低価格プランもある。
英語のハードルがある
WebARENA Indigo安い標準的とにかく安い
WebARENA IndigoProやや高い業務用にも使える多機能バックエンドが10Gps回線
XServer VPSやや高い標準的収容サーバーが競合より性能が高い

グルーピングをしていくと、

  1. 安価VPS: WebARENA Indigo、ConoHa VPS、KAGOYAクラウド VPSなど
  2. 高機能: KAGOYAクラウド VPS、ConoHa VPS、KAGOYAクラウド VPS、さくらのVPS
  3. 高性能: XServer VPS、シンVPSなど

という形になります。

料金体系について理解しよう

VPSはレンタルサーバーと同じ「月額料金タイプ」「1日単位、1時間単位」といった月ではない単位での課金もあります。サービスによっては最低利用期間を設定しているケースもあるため、契約前にVPSの料金システムについても理解しましょう。

どのサービスを使うかで課金システムが変わってきますし、それがそのまま運用コストにも大きく影響をします。

付加機能・サポートも重要

VPSを使う上では、付加機能・サポートも重要です。

特に、業務用で使う場合は、どんなに安くてもサーバーがダウンしては意味がないため、まずは「ダウンしないサーバー」を選ぶのが最優先になります。

その意味では、業務で使うVPSを選ぶ場合は、SLAが付帯しているVPSサーバーも必ずチェックしましょう。

VPSの選び方を知ろう

VPSについてある程度理解ができたら、次は実際にVPSを選ぶフェイズになります。

ただ、用途がある程度限られるレンタルサーバーと違い、VPSは仮想とは言えサーバー一台まるっとレンタルするため、VPSを選ぶと言っても、選び方は様々です。

ですから、まずはVPSの選び方を理解しましょう。

スペックから選ぶ場合

VPSのプランは「ベーシック」「ハイスピード」などプラン名でスペックが類推できる形になっておらず、「vCPUコア数」と「メモリ容量」でプランが構成されています。そのため、VPS選びは「最適なスペック選び」と言っても過言ではありません。

VPSの「vCPUコア数」は処理する速度を、「メモリ」は処理できる量を測る基準です。会社概ね近いスペックのプランをラインアップする傾向にありますが、一部は独自のコア数・メモリ容量の組み合わせのプランを展開しているケースもあるため、プランを選ぶ際は必ず「vCPUコア数」と「メモリ容量」の両方をチェックして、他VPSサービスの同等プランと価格や機能面での比較をするようにしましょう。

注意したいのは、同じコア数・メモリ容量のVPSでも、収容している物理サーバーのスペックによって処理性能が違うという点。ここは一概に「安い = 低スペック収容サーバー」というわけでもなく、サーバーごとに具体的な物理サーバーを公表しているわけでもないので、お試しなどを活用して実際の処理性能を計測しつつ選ぶのがベストです。

使うアプリケーションが決まっている場合

VPSで稼働させるアプリケーションが決まっている場合は、アプリケーションテンプレートの有無も非常に重要です。

Linuxサーバーの運用に慣れている方であれば、プレーンなLinuxでスタートして一から構築するのもそこまで時間がかからないかもしれませんが、Linuxサーバーの知識がない方や経験が少ない方は、アプリケーションのインストールと起動だけでつまづいてしまうケースも少なくありません。

そうした方に最適なのがVPSサーバー側が用意しているアプリケーションテンプレート。Webブラウザで管理画面からアプリケーションを選ぶだけで、アプリケーションが正しく稼働する状態のVPSを一発で構築することができます。

レンタルサーバーから移転する場合

レンタルサーバーから一つ上のスペックのサーバーに移転するために、VPSを選ぶ際は、「本当にVPSが必要なのか」というのをしっかりと確認してから移転するようにしましょう。

VPSは自身でサーバーを管理する手間もありますし、Linuxの知識がない方が運用すると、レンタルサーバーではあり得なかったサーバーダウンというのも経験することになるでしょう。「ステップアップするためのVPS移転なのに、サーバーの管理ばっかりやっている」では、元も子もありません。「VPS = 上位サーバー」というわけではないので、自身に合ったサーバーを選ぶのが重要です。

もしVPSを含めてLinuxサーバーの管理が初めてなら、まずは練習用VPSを立ち上げて、ローコストでVPSを体験するのがおすすめ。月額500円以下で練習サーバーを運用することも可能です。

一部レンタルサーバーはVPSのようにサーバーリソースを確保するプランを用意しているので、そちらも合わせて検討しましょう。

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