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NextcloudのOSS版とEnterprise版の違いまとめ

公開日: 2023.12.26

自社運営が可能なクラウドストレージNextcloud。OSS版であるNextcloudと課金サービスであるEnterprise版の違いをまとめました。

編集ノート: SERVERSUSでは、パートナーリンクからコミッションを得ています。コミッションが記事の意見や、サービスの評価に影響を与えることはありません。

Nextcloudのラインアップ

Nextcloudには、二つのラインアップがあります。

  1. OSS版Nextcloud
  2. Nextcloud Enterprise Edition

どちらもコアシステムは同じですが、機能やサービスに違いがあります。

OSS版NextcloudとNextcloud Enterprise Editionの違い

利用料金

まず大きいのが利用料金の違いです。

NextcloudはOSS(オープンソース・ソフトウェア)として公開されているため無料で使うことができます。

一方で、Nextcloud Enterprise Editionは、OSS版NextlcloudをNextcloudの開発主体であるNextcloud GmbHが「ビジネス用にカスタマイズを加えた」サービスとなっており、そのカスタマイズやサポートに対して課金するサービスとなっています。

項目OSS版NextcloudNextcloud EE
料金無料$5/ユーザー

機能の違い

Nextcloudはオープンソース・ソフトウェアであることを重視して、ownCloudからフォークしたという歴史があるため、無料のOSS版Nextcloudでもベースの機能面は同じです。

項目OSS版NextcloudNextcloud EE
ファイル同期・共有機能
リアルタイムコラボレーション
監視基本的な監視Nextcloud Guard
Nextcloud 広告
Microsoft 統合
エンタープライズアプリ認証、ワークフロー、セキュリティ
無制限のプッシュ通知
GDPR 文書

有料のEnterprise Editionは、ベースとなるOSS版Nextcloudにビジネス用途で必要な機能を追加した形になっているというのが基本です。

また、無料版ではNextcloud 広告が表示されるケースがあります。

サポートの違い

OSS版NextcloudとEnterprise Editionの大きな違いはサポート面です。

サポート面というと、「トラブル時にヘルプデスクを使える」くらいに思いがちですが、Nextcloud Enterprise Editionでは、それ以外にも手厚いサポート体制を提供しています。

項目OSS版NextcloudNextcloud EE
テスト/品質保証コミュニティエンタープライズ QA
セキュリティ更新9 ヶ月間最大 5 年間
セキュリティ問題の早期通知
サポート SLA最大 24 時間 365 日
知識ベースとトレーニング
ロードマップへの影響Nextcloudの意思決定者へのアクセス
ロードマップへの影響力
製品諮問委員会への参加
認定されたコンプライアンス

まず大きいのがセキュリティ更新のスパン。OSS版ではサポート期間は9ヶ月ですが、Enterprise Editionは最大5年とかなり長くなります。

ビジネス用途では、一度構築したシステムを頻繁にアップグレードするのはコストがかかります。セキュリティ問題の早期通知がある点も、セキュリティが重要なビジネス用途では見逃せません。

また、Nextcloudのロードマップへ影響力を持てるというのも長く使う上では大きなポイントでしょう。

OSS版Nextcloudと有料版Nextcloud Enterprise Editionの比較一覧

ここまで見てきた、OSS版NextcloudとNextcloud Enterprise Editionの違いをまとめて比較してみましょう。

項目OSS版NextcloudNextcloud EE
料金無料$5/ユーザー
ファイル同期・共有機能
リアルタイムコラボレーション
拡張性〜500 ユーザー数百万のユーザー
テスト/品質保証コミュニティエンタープライズ QA
セキュリティ更新9 ヶ月間最大 5 年間
監視基本的な監視Nextcloud Guard
Nextcloud 広告
Microsoft 統合
エンタープライズアプリ認証、ワークフロー、セキュリティ
無制限のプッシュ通知
セキュリティ問題の早期通知
サポート SLA最大 24 時間 365 日
知識ベースとトレーニング
ロードマップへの影響Nextcloudの意思決定者へのアクセス
ロードマップへの影響力
製品諮問委員会への参加
認定されたコンプライアンス
GDPR 文書

基本的な機能はどちらも同じですが、実運用での大きな違いは、

  1. Microsoft統合機能がある
  2. 収容ユーザー数が多い
  3. セキュリティアップデートなどサポートが手厚い
  4. エンタープライズ向けアプリが使える

という点でしょう。

OSS版Nextcloudと有料版Nextcloud Enterprise Editionはどちらが良い?

一般的なクラウドストレージとして使う場合や数十人の小規模で使う場合は、OSS版Nextcloudでも十分でしょう。ただし、ビジネス用途で使う場合は、セキュリティ面を重視するならEnterprise Editionも選択肢に入ります。

100人を超えるユーザーを収容する場合は、Enterprise Editionを検討すると良いでしょう。ただし、Enterprise Editionは1ユーザーあたり5ドルと、大手クラウドストレージと同等の価格が必要となるため、導入の際は、Google WorkspaceやMicrosoft 365などの競合サービスとしっかりと比較するのがベストです。


価格は記載がある場合を除き、すべて税込みです。

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