どちらを選ぶべき?ownCloudとNextcloudのOSS版の違いを徹底比較!
公開日: 2023.12.25
同じクラウドストレージOSSであるownCloudとNextcloudの違いを徹底比較!今から構築するならどちらを選ぶべきかをまとめました。
ownCloudとNextcloudの歴史
ownCloudとNextcloudの違いを知るには、まずそれぞれの歴史を知るのがベストです。
まず最初にリリースされたのはownCloudで、2010年にリリースにOSSとして誕生しました。その後、ownCloudの主要な開発者であったFrank Karlitschekらが「ownCloudのプロジェクトはよりオープンで透明性のある方向に進むべき」としてownCloudから離脱。2016年にownCloudをフォークして、Nextcloudプロジェクトを始動しました。
Frank KarlitschekはownCloudが商用的すぎる点に不満があったことから、自身のプロジェクトであるNxtcloudはオープンでフリーであることにフォーカスされており、有料のEnterprise Editionはあるものの、基本的に全て無料で使うことができるというのが特徴でした。
かつてはownCloudは当初はモバイルアプリを有料課金にしていましたが、現在は無料で使えるようになっており、Nextcloudと同じく有料のEnterprise Editionや有料課金サービスを取り入れており、サービス的には両者の違いは少なくなっています。
OSS版ownCloudとOSS版Nextcloudの違いを比較する
OSS版ownCloudとOSS版Nextcloudの機能面での違い
OSS版ownCloudとOSS版Nextcloudの違いの違いを比較してみましょう。
項目 | OSS版ownCloud | OSS版Nextcloud |
---|---|---|
料金 | 無料 | 無料 |
ファイル同期・共有機能 | ◯ | ◯ |
リアルタイムコラボレーション | - | ◯ |
拡張性 | 無制限 | 〜500 ユーザー |
テスト/品質保証 | コミュニティ | コミュニティ |
セキュリティ更新 | 不定期 | 9 ヶ月間 |
監視 | 基本的な監視 | 基本的な監視 |
広告表示 | - | ◯ |
Microsoft 統合 | - | - |
エンタープライズアプリ | - | - |
無制限のプッシュ通知 | - | - |
認定されたコンプライアンス | - | - |
GDPR 文書 | - | - |
基本的な機能はどちらも同じですが、実運用での大きな違いは、
- リアルタイムコラボレーションがあるか
- セキュリティ更新が定期的であるか
- 広告表示があるか
という点でしょう。機能面ではNextcloudが優れていますが、広告表示があるという点は考慮すべきでしょう。
ownCloudとNextcloudどちらが人気?
ownloudとNextcloudのどちらが人気かを比較してみましょう。
まず、Googleトレンドで検索需要を比較するとNextcloudがownCloudよりも6倍ほど多いという結果が出ました。これは地域を日本に限定しても全世界にしても概ね同様です。
Google トレンドで「Nextcloud, owncloud - 日本、過去 12 か月間」の 人気度の動向 を見る
次に、サーバーアプリケーションのOSS版のGithubスター数を比較してみると、ownCouldが8,200、Nextcloudが24,500と3倍近くNextcloudが多くなります(2023年12月25日現在)。
これらの数字から見る限り、現在はNextcloudの方が人気があると言えるでしょう。
VPSサービスでのアプリケーション・イメージの採用数を比較
最後に、日本のVPSサービスで、簡単にアプリケーションサーバーを構築できる「アプリケーション・イメージ(テンプレート)」の用意されている数を比較してみます。
VPSサービス | ownCloud | Nextcloud |
---|---|---|
Conoha VPS | ⚪︎ | ⚪︎ |
カゴヤ VPS | - | ⚪︎ |
Xserver VPS | - | ⚪︎ |
シン・VPS | - | ⚪︎ |
ownCloudのアプリケーション・イメージを用意するのはConoHa VPSのみでしたが、Nextcloudは4社がアプリケーション・イメージを用意していました。
ownCloudとNextcloudのOSS版はどちらを選ぶべき?
ここまで両者を比較してきて、機能面、人気共に、現在ではNextcloudの方が上ということがわかりました。
その上で総合的に判断すると、今からOSS版のクラウドストレージ・サーバーを自前で構築するならNextcloudがベストでしょう。また、ownCloudで運用している場合も、Nextcloudに移転する価値はあると言えます。
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