Google Cloud StorageとFirebase Hostingを徹底比較!
公開日: 2020.4.23
Google Cloud PlatformファミリーのGoogle Cloud StorageとFirebase Hostingを徹底比較!無料枠や料金体系、ホスティング・ストレージ機能など様々な角度で検証しました。
Google Cloud StorageとFirebase Hostingを料金体系で比較する
課金システムの違いは「ファイル操作課金」
Google Cloud StorageとFirebase Hosting共に、ストレージ容量と下り転送量に対しての課金があります。
両者の大きな違いはファイル操作(オペレーション)課金で、Firebase Hostingにはファイル操作課金がなくシンプルな料金体系になっています。
課金項目 | Google Cloud Storage | Firebase Hosting |
---|---|---|
ストレージ | 課金 | 課金 |
挿入、更新、一覧など(クラス A OP) | 課金 | なし |
取得(クラス B OP) | 課金 | なし |
下り転送量 | 課金 | 課金 |
画像などの「一度アップしたら当分は変更のないコンテンツ」であれば両者に違いはほぼありませんが、ファイル更新が頻繁なWebページのホスティングという観点でみると、Google Cloud Storageのオペレーション課金は後々コスト面でのボトルネックになりそうです。
無料枠はどちらも豊富。Firebase Hostingの方がやや強い
続いて、Google Cloud StorageとFirebase Hostingの無料枠をみてみましょう。
課金項目 | Google Cloud Storage | Firebase Hosting |
---|---|---|
ストレージ | 5GB | 1GB |
挿入、更新、一覧など(クラス A OP) | 10,000回 | 無制限 |
取得(クラス B OP) | 50,000回 | 無制限 |
下り転送量 | 1GB | 10GB |
どちらも十分な無料枠があります。
ポイントとなるのは、
- ストレージであるGoogle Cloud Storageは容量が大きい
- ホスティング全体のFirebase Hostingは下り転送量が大きい
- Firebase Hostingはファイル操作が無制限
という違いになります。
従量課金はGoogle Cloud Storageの方が割安
続いて、無料枠を超えた際の従量課金について比較してみます。
課金項目 | Google Cloud Storage | Firebase Hosting |
---|---|---|
ストレージ | $0.023前後 | $0.026 |
挿入、更新、一覧など(クラス A OP) | $0.05 / 10,000 | 無制限 |
取得(クラス B OP) | $0.004 / 10,000 | 無制限 |
下り転送量 | $0.12 | $0.15 |
どちらも非常に安価な料金となっていますが、課金単価はGoogle Cloud Storageの方が若干割安です。
しかし、オペレーション料金まで加味すると、使い方によってはどちらを使ってもトントン、もしくはFirebase Hostingの方が安くなることもあるでしょう。
Google Cloud StorageとFirebase Hostingを機能で比較する
機能面で、Google Cloud StorageとFirebase Hostingを比較してみます。ストレージ機能、Webサイトのホスティング機能の両面からみてみます。
ストレージならGoogle Cloud Storage、サイトホスティングならFirebase Hosting
各機能は下記の通りです。
機能 | Google Cloud Storage | Firebase Hosting |
---|---|---|
CLIツール | ● | ● |
GUIツール | ブラウザ | × |
ロールバック機能 | × | ● |
リージョン選択 | ● | × |
バージョニング | ファイル単位 | アプリ単位 |
動的コンテンツ | × | ● (Cloud Functions for Firebase または Cloud Run) |
カスタム ドメイン | ● | ● |
カスタム ドメイン SSL | × | ● |
当たり前ではありますが、純粋なクラウドストレージであるGoogle Cloud Storageはストレージとして機能が豊富で、Hosting用途のFirebase HostingはWebサイトホスティング機能が豊富なっており、綺麗に棲み分けがされていることがわかります。
Web上でのホスティングという観点で見ると、Firebase Hostingの、
- カスタム ドメイン SSL
- アプリ単位バージョニング
- ロールバック機能
という機能はかなり魅力的で、サイトホスティングなら迷わずFirebase Hostingを選ぶ方が良いでしょう。
一方で、ファイルを管理する観点で見ると、CLIツールしかないFirebase Hostingに対して、Google Cloud StorageはブラウザでもFTPクライアントでも操作ができるため、こちらに強みがあります。
Google Cloud StorageとFirebase Hostingを徹底比較しました。
同じGoogle Cloud Platformファミリーでありながら、似たような機能を提供しているため混同しがちな両者ですが、こうして比較してみるとそれぞれの適性がしっかりと別れていることがわかります。
どちらも無料から利用できるため、それぞれニーズにマッチした方をうまく利用すると良さそうですね。
価格は記載がある場合を除き、すべて税込みです。
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