Google Cloud Storageで独自ドメインでSSLホスティングする方法
公開日: 2020.4.8
Google Cloud Storageで独自ドメインでSSLを使う際の設定方法をまとめました。SSL&独自ドメインという条件で、レンタルサーバーやVPSとの比較、利用する際の注意点も。
Google Cloud Storageの概要と機能
Google Cloud Storage(GCS)は、Googleのクラウドサーバープラットフォーム「Google Cloud Platform」のサービスの一つで、オブジェクト・ストレージサービスです。
オブジェクト・ストレージサービスというと難しい感じがしますが、Google Driveの高機能版と思えば良いでしょう。
Google Cloud Storageのホスティング機能
Google Cloud Storageでできることの一つに、独自ドメインでの静的ファイルのホスティングがあります。この機能を使えば、GCSにアップしたファイルをサーバーレスでWebサイトのように配信ができます。
サーバーのように使えるため、レンタルサーバーの代替として使えないかと考えてしまいますが、GCSのホスティング機能は「静的ファイルの配信に限定した機能」なので、PHPやRuby、Node.jsといったサーバーサイドプログラムについては、ファイルの配信はできるけどプログラムの実行はできません。
Google Cloud StorageとSSL
GCSにファイルをアップすると、デフォルトでGoogleドメインのURLが発行されます。URLは下記のようなフォーマットになっています。
https://storage.googleapis.com/バケット名/ファイル名
この自動で付与される「storage.googleapis.com」ドメインのURLについては、デフォルトでSSLで配信されているので、SSL化を気にすることはありません。このURLで静的コンテンツを配信するのであれば、SSLについては対応済みです。
一方、GCSではバケットを独自ドメインで配信することも可能なのですが、そちらについてはSSLに非対応となっているため、裏技的に対応させる必要があります。
Google Cloud Storageで独自ドメインでSSLホスティングをする方法
Google Cloud Storageで独自ドメインでSSLを利用する方法はいくつかあります。
- Google Cloudのロードバランサ(有料・従量課金)を使う
- CDNサービスを利用してSSLで通信を仲介してもらう
- Firebase Hostingを利用する
今回は無料で使いたいので「(2) CDNサービスを利用してSSLで通信を仲介してもらう」でのやり方をみていきます。
Google Cloud StorageをCloudflareでSSLプロキシする
これは、以前記事にしたSSLの使えないサーバーでHTTPS配信をする裏技で説明した方法と同じですが、CloudflareなどのCDNサーバーが提供しているProxy機能を利用して、ブラウザとサーバーの間に入ってSSL仲介をしてもらう方法です。CloudflareのSSLプロキシーは無料で使えるので、GCSで無料で独自ドメインSSLを利用できることになります。
この方法、先ほど「裏技的」と書きましたが、実はこの方法はGoogle Cloud Platform Blogでも紹介されている方法です。
設定方法
設定方法はいたって簡単で、Cloudflareで対象ドメインのDNSレコードをCNAMEでGCSに向けるだけです。
例えば、cdn.example.comというドメインでGCSで静的ファイルをホスティングしているとしたら、example.comのDNSレコードに下記のように記述します。
CNAME cdn c.storage.googleapis.com.
CNAMEの向き先は「c.storage.googleapis.com」となります。先ほどのデフォルトURLのドメインである「storage.googleapis.com」ではないので、間違えないようにしましょう。
静的ファイルの配信サーバーとSSL証明書対応の比較一覧
最後に、独自ドメインで利用するSSL対応の静的ファイル・ホスティングサービスとして、Google Cloud Storageはどうなのかをレンタルサーバーなどと比較してみます。
サービス | SSL | SSL証明書の更新 | 料金 | 転送量上限 |
---|---|---|---|---|
GCS(デフォルトURL) | ● | 自動 | 従量課金 | なし |
GCS(独自ドメイン) | × | 不要 | 従量課金 | なし |
SSL対応レンタルサーバー(独自ドメイン) | ● | 自動 | 月額制 | あり |
VPS(独自ドメイン) | ▲ | 自分で取得・管理 | 月額制 | あり |
静的コンテンツだけを配信するサーバーとしてみた時には、レンタルサーバーやVPSと比べても管理も容易で、転送上限もないので使い勝手の良いサービスと言えます。
GCSは従量課金なので使いすぎに要注意
問題があるとしたら従量課金のところで、GCSでは他のクラウドサービスと同じく、
- ファイル操作・保存容量あたりの課金
- データ転送量の課金
という2重の課金があります。
GCSの場合は、Always Freeという無料枠があるため、個人用途くらいでは課金枠にはなりませんが、アクセスが増えるほどレンタルサーバーよりもコスパは悪くなります。
Google Cloud Storageで独自ドメインでSSLホスティングする方法をみてきました。
デフォルトでは独自ドメインでのSSL配信には対応していませんが、簡単にSSL化はできるので使わない手はないですね。
価格は記載がある場合を除き、すべて税込みです。
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