サイト規模にあったサーバー・スペックの選び方
公開日: 2021.1.26
サイト規模にあったサーバー・スペックの選び方をまとめました。サーバーの現状の把握から、サーバーの種類の選び方、選ぶ際のポイントをまとめています。
サイト規模にあったサーバーを選ぶのは意外と難しい
Webサイトというのは常に一定のアクセスがあるわけではないですし、突然何かの拍子にグッとアクセスが上がることもあります。クラウドの普及で現在はかなり減りましたが、サイトがダウンしているというのは、大抵想定していたサーバースペック以上のアクセスが来ることが原因というのがほとんどでした。
そうした不安定な環境を鑑みながら、サイト規模にあった適切なサーバーを選ぶというのは、意外と難しいことです。
さらに、サーバーの移転というのは規模が大きくなればなるほど簡単には行きません。パッと移転できることもあれば、サービスを停止出来ないケースであれば段階的に移転することもあります。
そうした状況をイメージしながら、サーバーを選ぶのが大事です。
適切なサーバーを選ぶためのステップ
まずはサイトの負荷をシミュレーションする
まず最初にやるべきはサーバー負荷のシミュレーションです。
ローカルサーバーなどに本番と同じ環境、同じプログラムを設置して、Apacahe Benchなどのベンチマークプログラムで負荷テストをします。
サイトの規模にもよりますが、シミュレーションする時のサーバースペックは現在の本番サーバーに近いものにするのが大事です。Virtulaboxなどの仮想マシンを使うと、簡単にスペック調整が出来て便利です。
ベンチマークソフトは、「どれくらいの間隔でどれくらいの人数が同時にアクセスするか」という細かい設定ができるので、複数の状況を用意してテストします。
テスト状況は、
- ピーク状況(夕方から夜などのアクセス集中時間)
- オフピーク状況(通常時)
- スリープ状況(朝方などのアクセスが少ない時間)
の3つでテストします。
アクセス数や同時接続数は、Google Aalyticsなどのアクセス解析ツールで平均値を出すと、精度が高くなります。
負荷シミュレーションで安定する必要スペックを探す
負荷シミュレーションを実行すると、「余裕がありすぎる」もしくは「常にCPUが100%に張っていてパツパツ」「メモリが全然足りない」など現在の状況がわかります。その都度、CPUやメモリを変更して、安定するスペックを探します。
サーバーの運用ポリシーにもよりますが、オフピーク時はサーバースペックの40%ほど、ピーク時はサーバーの70%ほど、スリープ時はサーバーの10〜20%ほどにするとバランスがよくなります。
サーバーのリソースという観点では無駄遣いに思えますが、オフピーク時に合わせてスペックを決めると常に高負荷でピーク時に処理が出来なくなります。高負荷が続くとサーバーを止められてしまうリスクもあります。
逆にピーク時にリソースピークを合わせておくと、急激なアクセス増に対応できません。
この辺りのバランスが取れるのが、オフピーク40%、ピーク70%、スリープ10〜20%です。
必要スペックにマッチするサーバーを探す
必要スペックがわかったらサーバーのプラン比較をします。
VPSやクラウドならスペックが明示されていますし、実際の処理速度をUnixbenchで計測したデータなどもあるので、比較は簡単です。
レンタルサーバーやサーバーレスを使う場合は、お試し期間などを利用して、実際のサーバーで負荷テストをすると良いでしょう。
運用方法や成長度合いでサーバーの種類を選ぶ
低予算なら、レンタルサーバー・VPSのプランアップできるサーバー
低予算で運用するのであれば、コスパが高いレンタルサーバー・VPSがベストです。今後のアクセス数が変わった時に、プラン変更ができるサーバーを選ぶと、より柔軟性が持てます。
その意味では、サーバーの長期契約はコスパが高くなる一方で、サーバースペックに合わなくなった時に使えなくなるリスクがあることを理解しておきましょう。
ただし、サイトやサービスがぐんぐん伸びているような状況だと、サーバースペックの幅が狭いレンタルサーバー・VPSだとすぐに頭打ちになってしまうので、クラウドも選択肢に入れておくと良いでしょう。
柔軟さを出せるのはクラウド
規模の大きいサービスほどクラウドを利用しているわけは「柔軟性」です。
クラウドの場合、時間帯によってスペックの低いサーバーや高いサーバーを切り替えたり、アクセス急増の時だけ一気にサーバースペックをジャンプアップするなんてことも簡単に、しかもそれ自体をプログラムして使うことができます。
柔軟性がある分、サーバーの利用単価は高くなりますが、負荷によってサーバーのスペックをうまくやりくりすれば、VPSや専用サーバーよりもトータルコストが下がるというのはよくあることです。
一方で、クラウドは機能をきちんと理解して使いこなすが難しい面もあるため、闇雲に手を出さないほうが安全です。
クラウドを利用する際は、しっかりとした目的意識と、使いこなせる知識・技術がマッチした時にすると良いでしょう。
サイト規模にあったサーバー・スペックの選び方を見てきました。
サーバー選びはこれという答えがないジャンルでもあるので、今回の方法はあくまで一例です。いろんなサービスを使ってみて、自分にあった手法を探してみてください。
価格は記載がある場合を除き、すべて税込みです。
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